2024.09.04
専門学校進学を控えた皆さん!はじめての一人暮らしにワクワクしている方も多いでしょう。
一人暮らしは自由度が高く、実家暮らしでは味わえない貴重な経験を積めます。しかし、自由と責任は表裏一体。 家賃や食費など一人暮らしには一定の費用がかかり、きちんとした学生生活を送るためにも家計の管理が重要になります。
そこで本コラムでは、これから一人暮らしを始める専門学生が陥りがちな落とし穴と、それを避けるための具体的なアドバイスを紹介します。
専門学生で一人暮らしを検討している人は、まず専門学生の生活スタイルを理解しておかなければなりません。
専門学校の在籍期間は、大体2〜3年が一般的です。
この期間のうちに、卒業に必要な授業や実習、課題をこなす必要があり、4年制大学と比べて忙しくなりやすいでしょう。
たとえば専門学校生活では、一般的な授業以外にも夏休みや冬休みに実習や課題が課される場合が多いです。これらは将来の職業に直結する重要な実践的訓練であることが多く、気を抜けるものではありません。
さらに、多くの専門分野では資格取得が必要になることが多く、準備には相当な時間と労力を必要とします。
また、2年間の専門学校の場合は、1年目が終わる頃にはすでに就職活動が始まっています。通常の大学生よりも就職活動をスタートする時期が早く、授業や実習に並行して進めなくてはなりません。
総じて見ると、一人暮らしの専門学生はとっても多忙であることが分かります。
それに加えて一人暮らしをするとなると、その労力は計り知れません。毎日のお金を自分でやりくりする必要があります。早いうちからお金の管理について、正しい知識を身に付けておく必要があるでしょう。
それでは、専門学生の一人暮らしにかかるお金について解説します。
ここからは、学生の一人暮らしにかかる生活費の目安として、全国大学生活協同組合連合会「第59回学生生活実態調査」を基に見ていきましょう。
全国大学生活協同組合連合会の「第59回学生生活実態調査」(2023年)によれば、一人暮らしの学生の1ヶ月でかかる生活費は、12万7,500円です。
支出の中には、食費や住居費、交通費、通信費などが含まれています。
支出の項目にある「貯金・繰越」に関しては、人によっては支出と捉えない場合もあるでしょう。この項目を除くと、学生の一人暮らしで1ヶ月にかかるお金は、11万2,760円になります。
この数字はあくまで全国の平均ですが、ここ6年間の平均に大きな変動は見られません。そのため、専門学生の一人暮らしは、月に約11万〜12万円程度の支出がかかるとみておいてよいでしょう。
専門学生が一人暮らしをする際、家計の中で最も大きな負担となるのが家賃です。特に都市部の専門学校に通う場合、家賃は平均より高くなる傾向にあります。
家賃を安く抑えるには、住むエリアを変えてみるのも選択肢の一つです。しかし、交通の便が悪いと通学にかかる時間とコストが増加し、これもまた学生生活における重要な問題点になるでしょう。
このような背景から、住まお選びにおいては、家賃だけでなく交通の利便性や周辺環境など、複数の要素を考慮して判断する必要があります。
ただ、何を優先にして選べばいいのか、はじめて一人暮らしをする人にとっては難しい問題ですよね。
学生の一人暮らしの家賃相場やお得な物件選びのポイントについては、こちらのコラムを参考にしてみてください。
専門学生でかかるお金については、学費も考慮しておく必要があります。
学費は学校によって異なりますが、お金の管理をするためにも支払い時期まで把握しておくといいでしょう。
まず専門学校の「学費」に含まれる代表的なものは「入学金」「授業料 」「設備の維持管理費」「実習費」などが挙げられます。
特に、入学1年目に支払う学費は『初年度納付金』と呼ばれ、これには入学金と授業料、設備費や実習費が含まれます。2、3年目は、授業料と設備費・実習費などが必要になります。
学費目安については、分野や学科によって開きがあります。
公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会によると、私立専門学校における初年度納入金は、以下のように報告されています。
(令和5年度/昼間部/東京都専修学校各種学校協会調査統計部調べ)単位:千円
上記データを見ると、医療関係の学科が高い傾向であることが分かります。ただ、あくまで平均額なので、詳しい費用は進学先の資料で調べてみてくださいね。
学費の納入方法や納入期限については、分納が認められるのか予め学校に問い合わせておくといいでしょう。
ここまで見る限り、自ら学費をすべて負担するとなると「本当に一人で生活できるの?」と不安になるかもしれません。
そのため、実際に学生生活が始まる前に、親御さんにお金の相談をしたり奨学金を借りたりと、計画性を持って進めておく必要があるのです。
専門学生の一人暮らしを実現するには「毎月どのくらいの収入があればいいのか?」という話になるでしょう。
一般的に学生の一人暮らしにおける収入として挙げられるのは「アルバイト」「奨学金」「実家からの仕送り」です。
では、世の中の専門学生が一体どのくらいの収入を得ているのか、平均値を見ていきましょう。
専門学校に通いながらアルバイトをしている人は多いかもしれません。しかし、学生は学校で学ぶのが本業なので、1日中働いているわけにはいきません。
独立行政法人日本学生支援機構が発表した「令和4年度学生生活調査結果」によると、一人暮らしの学生が稼ぐアルバイト収入の平均は、年間31万1600円。月に換算すると約2万5,000円です。
上記はあくまで平均なので、高収入のアルバイトに就けば平均以上を稼げるかもしれません。
ただ、日々多忙な専門学生にとっては、毎日シフトに入れるかどうかの保障はないでしょう。アルバイトだけで生活費と学費を負担するのは、やはり無理があるといえます。
学生には、奨学金という制度があります。多くの学生が奨学金を借りて、学費や生活費の一部に充てているでしょう。ただし、奨学金があれば経済的に余裕が生まれるかといったら、そうでもありません。
同調査によると、昼間部の短期学生における奨学金の給付額の平均は、年間45万3,800円という結果になっています。
月に換算すると、1ヶ月約3万7,000円なので、アルバイト代と合わせても7万円ほどです。
平均値を見る限り、アルバイト収入と奨学金だけでは、専門学生の一人暮らしに必要なお金にはほど遠いといえます。
アルバイトや奨学金だけでは学生生活が難しいとなると、頼るべきは親御さんからの仕送りです。
昼間部の短期学生における仕送りの平均値は、年間79万2,900円という結果が報告されています。
これを一月に割ると66,000円となり、アルバイト収入と奨学金と合わせると12〜13万円になります。
大学生の生活費平均が12万円前後なので、生活費はなんとかまかなえる計算になります。
ただし、仕送りに完全に頼るとなると、親御さんにも負担がかかってしまいます。
仕送りをお願いする際は、親御さんとしっかり相談して金額を決めてください。
一人暮らしを始める際は、それなりの責任が伴います。特に、住まい選びや金銭管理、健康維持の面で注意が必要です。
ここからは、専門学生が一人暮らしで陥りやすい罠とその回避策を紹介するので、ぜひ今後の生活に役立ててみてください。
まず、安すぎる賃貸物件は避けた方がよさそうです。
安さにはそれなりの理由があります。立地条件の悪さ、設備の老朽化、防犯面での問題など、さまざまなデメリットが隠れている可能性が高いです。
物件選びは、安全性や利便性も考慮し、慎重に行いましょう。事前に周囲の環境を調査し、実際に物件を訪れて内見することをおすすめします。
特に人気の物件はすぐに入居枠が埋まってしまうため、早い段階に確保しなければなりません。ここで気になるのが「みんないつから物件選びをしているの?」と疑問です。
学生がアパートを決めるタイミングはそれぞれの状況によって異なりますが、「仮予約制度」を導入している物件では、早くから部屋を押さえられます。
詳しくはこちらのコラムで解説しているので、参考にしてみてくださいね。
専門学生が一人暮らしをする上で、金銭管理は非常に重要です。
家賃や光熱費、食費、通信費など、毎月の固定支出を正確に把握して生活しなければ、あっという間に予算オーバーしかねません。
特に専門学生の場合、課題や資格試験のための追加支出も考える必要があります。
最近では、無料で使える家計簿アプリがいくつか登場しているので、ぜひ活用してみましょう。
専門学生の一人暮らしは、健康管理にも気を払いましょう。
特に食生活は、一人暮らしの大きな課題の一つです。バランスの取れた食事を心がけ、外食やインスタント食品に頼り過ぎないようにすることが大切です。
不規則な生活や睡眠不足が続くと、体調を崩しやすいもの。適切な休息と適度な運動を組み合わせて、健康を維持する努力を心がけてください。
また、生活費を削ろうとするあまり、食費を極端にカットするのは避けましょう。生活費の中でも食費はトップ2になる出費ですが、節約方法によっては無理なくカットできます。
具体的な節約方法はこちらのコラムで紹介しているので、参考にしてみてください。
専門学校に通う学生にとって、住まい選びは学業や日常生活に直接影響を与える重要な要素です。
一人暮らしというと、アパートやマンションをイメージするかもしれません。しかし、学生ならではの物件「学生寮」「学生マンション」といった選択肢も検討してみていいでしょう。
学生寮や学生マンションは、専門学生を含む学生専用の住居で、学校からのアクセスの良さや学生生活に必要な設備やサービスが整っている物件を指します。
こうした物件は、細やかな管理やセキュリティシステムが整っています。学生寮は一般的に食堂や共用ラウンジがあるところが多く、学生マンションは少し自立した形式で、プライベートが保護されつつも必要なサポートを受けられるシステムになっています。
学生寮・学生マンションの特徴は、こちらのコラムで解説しているので、あわせてご覧くださいね。
一人暮らしを始めるにあたっては、適切な住まいを見つけることが最初のステップです。
これには立地、家賃、設備などさまざまな要素を考慮しなければなりません。
住まい探しは、自分のニーズに合った条件を明確にすることから始めましょう。
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