大学プレスリリース2025.02.13
広島大学大学院医系科学研究科(歯)細胞分子薬理学の吾郷由希夫教授、大阪大学大学院薬学研究科神経薬理学分野の橋本均教授、同大学院歯学研究科薬理学講座の田熊一敞教授、京都大学大学院医学研究科と塩野義製薬株式会社の共同プロジェクト「SKプロジェクト」の大波壮一郎研究員、山川英訓研究員らのグループは、鎮痛作用を示さない低用量のオピオイド(*1)が、ASDの中核症状の一つである社会性やコミュニケーションの障害を回復させる新しい薬物療法につながる可能性を発見しました(図1)。
【本研究成果のポイント】
●自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:以下、ASD)でみられる社会的なコミュニケーションの困難さ等の中核症状に対して、承認された治療薬は現在存在していません。
●本研究では、鎮痛作用や依存リスクが極めて小さい低用量のオピオイドが、ASDの動物モデルにおいて社会性向上作用を示すことを発見しました。
●本研究成果は、社会性行動に関わる脳内メカニズムのさらなる解明やその障害に対する治療法の開発につながると期待されます。