大学プレスリリース2024.12.06
ポイント
・微小核形成誘導剤であるパクリタキセルおよびリバーシンを添加し、微小核を形成させたヒトiPS細胞から微小核細胞を取り出し、異なるヒトiPS細胞に融合させることで、迅速にヒト染色体の直接導入が可能であることを示しました。また、導入染色体において特筆すべき染色体欠損や再配列を生じなかったことを示しました。
・ヒトiPS細胞を染色体供与細胞として使用することで、疾患患者由来細胞株を含む多様な遺伝背景のヒトiPS細胞を染色体資源として利用可能であり、常染色体および性染色体を導入することができます。
・本技術やヒト人工染色体技術を利用したメガベース(Mb)規模のヒト染色体領域クローニング法を活用することで、自在に疾患モデルヒトiPS細胞を作製でき、染色体異数性疾患の機序解明に貢献します。
・本技術により、ヒト人工染色体を異種動物由来細胞であるA9/CHO細胞を介することなくヒトiPS細胞に導入できることが示され、これによりヒト人工染色体を利用した再生医療や遺伝子/細胞移植治療法の開発に貢献します。