大学プレスリリース2024.07.09
ポイント
・高尿酸血症や痛風患者は認知症の発症リスクが少ないことはよく知られています。
痛風治療薬であるキサンチン酸化還元酵素(XOR)阻害薬と神経変性疾患との関係については活性酸素説を含む諸説はあるものの実験的解明はされていませんでした。
・本報告はヒト脳組織及びiPS細胞由来神経細胞を用いてXORの活性酸素説を排し、プリンサルベージ経路がde novo 経路に比べて効率よくATPを合成維持することを実験的に解明しました。
・XOR阻害薬とペントース及びプリン体の摂取がサルベージ活性を増強することも実験的に明らかにしました。
・プリンサルベージ経路を介してATPレベルを飽和まで維持することは神経変性疾患や、エネルギー枯渇や虚血を病態とする疾患に対する新たな治療戦略として期待されます。