大学プレスリリース2022.12.07
抗がん剤を用いたがん化学療法において、がん細胞の薬剤耐性は深刻な問題となっています。この薬剤耐性化メカニズムを解明し克服することは、がんの化学療法を成功に導くための重要課題です。
この度、東京薬科大学 薬学部 薬物動態制御学教室の岸本久直助教、井上勝央教授らの研究グループは、がん細胞の細胞表面に存在する高分子糖タンパク質ムチン(注1)のサブファミリーであるMUC1の細胞外ドメインが、親水性バリアとして働くことで、親油性抗がん剤の細胞内への取り込みを制限する役割を担っていることを明らかにしました。今回の発見は、がん化学療法における薬剤耐性の分子基盤の理解を深めるのに役立つと考えられます。