大学プレスリリース2025.12.08

【概 要】
日本大学生物資源科学部バイオサイエンス学科の 細野 崇 准教授、関 泰一郎 教授らの研究チームは、脂肪肝(注1)から代謝機能障害関連脂肪性肝炎(以下、MASH、注2)へと病気が進行するメカニズムを明らかにしました。MASHは、飲酒以外の原因で脂肪肝が炎症や肝線維化(肝臓が固くなる)を起こした状態を指します。放置すると肝硬変や肝臓がんへと進行するリスクが高まることがわかっていますが、これまで進行メカニズムは不明でした。
研究チームはマウスを使った実験を行い、病気が進行する過程で必須アミノ酸であるメチオニンの代謝に異常が生じること、さらにヒストンと呼ばれるDNAを巻きつけているタンパク質の化学反応(メチル化、注3)を介して、肝線維化が引き起こされることを突き止めました。
研究チームは、「本研究結果は、脂肪肝からMASHへの進行を抑える治療方法に道を開く可能性がある」と期待をかけており、さらに研究を進める方針です。
本研究成果は、The Journal of Biological Chemistry誌のオンライン版に2025年11月20日付で公開されました。