学寮潜入!大学寮レポート2022.09.01
大学寮ライブラリー「Dorm」では、規模や設備、寮内教育や学生へのサポートが充実しているなど、特色のある大学寮を特集して取り上げています。今回は、日本最南端・沖縄県にある国立大学、琉球大学の学寮に伺ってきました。
もくじ
琉球大学は、昭和25年に沖縄唯一の総合大学として開設され、昭和47年に沖縄の本土復帰により国立大学となりました。現在7つの学部を有し、日本の国立大学の中でも有数の規模を誇る大学となっています。2020年現在、男女あわせて7094名が在学。琉球大学は共通教育の科目数が多く、多様な学びを得ることができるのが特徴で、琉球語や基地問題、亜熱帯の自然学など、沖縄特異の自然、歴史や文化にフォーカスした科目も多数設置されています。
琉球大学の学寮はキャンパスの北側にある千原地区にあります。その名は「千原寮(せんばるりょう)」。全10棟の居住棟と事務室のある共用棟から構成されています。総定員数は977名(2022年5月時点)で、日本国内の大学寮としてもトップクラスの規模を誇ります。
それぞれの寮を見ていきましょう。
学生が居住する10棟は、一般棟、混住型棟、新混住型棟、新棟の4種類5タイプに分けられます。男子6棟、女子4棟で、すべて鉄筋コンクリート造の建物で、少しずつ部屋の仕様などが異なっています。共用部所は専任スタッフや請負業者により清掃が行われます!
一般棟はキッチンやトイレなどの水回りを共有するユニット方式で、北辰棟・南星棟・海邦棟(男子)、紫陽花棟(女子)の4棟で構成されています。フロアごとにランドリー室(洗濯機、乾燥機)もあります。北辰棟、南陽花棟の1ブロックでは、トイレ・シャワーが居室の中に設置されているタイプもあります。
千原寮のなかでも一般棟の4棟は一番古い建物でしたが、全棟の内装が2022年2月までにフルリニューアルされました。
リニューアルで室内が明るくきれいになっただけでなく、すべての居室にエアコンが設置されました。さらにシャワー室が新設されるなど、快適度が大幅に向上されています。
混住型棟は、一般棟と違って居室にトイレが付いていて、面積も若干広めです。
新混住型棟は、コンクリート流し込み工法によるモダンな造りで、天井も高めです。
男女で建物が分かれており、居室内にトイレとシャワーの一体型ユニットやミニキッチンなどが備え付けられています。フロアごとにランドリー室(洗濯機、乾燥機)があります。
新棟は名前のごとく最新寮。令和2年に建てられた7階建てで、男女で建物が分かれています。千原寮で唯一エレベーターが設置されています。
居室は千原寮で一番全体面積が大きく、シャワーブースとトイレが分かれ、ミニキッチンなども備えてあります。
新棟もフロアごとにランドリー室(洗濯機と乾燥機)があります。
前述した通り、一般棟も含めた全ての居室にエアコンが整備されました。またWi-Fiルーターは大学からの貸し出しがあります。(インターネットは個人でNTTなどとの利用契約が必要です。)
各棟ではユニットごとに、ユニット長(学生リーダー)が選任され、新入生や留学生のサポート・相談役として活動しています。千原寮敷地の中央部には共用棟があり、ここに学生部学生支援課 寮務係の事務室があります。入寮申込の受付、入退寮の手続きのほか、寮生からの各種相談を受け付けています。
実際にここ千原寮に暮らすお二人の学生さんに、住み心地を聞いてみました。
千原寮は大学に隣接しているので、大学へのアクセスは非常に良いです。また、ユニット制の棟が多く、人とのコミュニケーションの機会が得られる空間が多く設けられています。人との関わりが多いことは生活において精神的な支えになるため、千原寮はコロナ禍で危惧されるような中で、精神面の健康に適した寮だと思います。
部屋にシャワーとトイレがあるためとても快適です。キッチンと洗濯室は共有部分なので、同じ階の住人とコミュニケーションを図りながら、時間を工夫したりして使用しています。
程良く他の人の生活音が聞こえる事も、一人暮らしに心細さを感じていた私には安心材料でした。
また、寮には様々な学部や学年、国籍の方がいて、交友関係が広がりました。私の住む階は仲が良く、定期的に食事会を設けて仲を深めています。
千原寮を管理する、琉球大学学生部 学生支援課の寮務係長さんにお話を伺いました。
2022年春は、約230名の新入生が入寮しました。琉球大学7つの学部の学生が、満遍なく入居しています。本土からの学生が約9割を占めます 。東京や北海道から来ている学生が意外と多いんですよ。留学生についても、建物ごとに割合を決めて、入居受け入れを行っています。
約4年をかけて行ってきた各棟のリニューアルが2022年2月に完了しました。
以前は一般棟(北辰棟・南星棟・海邦棟・紫陽花棟)の建物内にシャワールームがなく、台風や悪天候の時であっても共用棟のシャワールームまで来なければなりませんでした。
今回のリニューアルでユニットごとにシャワールームができ、トイレもすべてシャワートイレになりましたので、利便性は大幅に向上しました。
全棟全室にエアコンも設置されていますので、夏でも快適です。
千原寮はキャンパスに隣接しており、学寮事務室も学寮構内にありますから、何か困りごとがあればすぐに相談できます。敷地も広大で静かな住環境なので、勉学にも集中できる環境です。ぜひ安心して琉大にお越しください。
琉球大学 学生生活支援情報ホームページで、千原寮の概要・詳細情報を確認することができます。
https://slsi.skr.u-ryukyu.ac.jp/gksien/
また、琉球大学入試課のYouTubeチャンネルでは、寮内の様子を360°動画で公開しています。
入寮申込は、琉球大学 学生生活支援情報ホームページから、入寮願等の用紙をダウンロード、または郵送で請求することができます。最新の募集スケジュールについては、ホームページをご覧ください。
https://slsi.skr.u-ryukyu.ac.jp/gksien/
<千原寮に関する問い合わせ先>
〒903-0129 沖縄県中頭郡西原町字千原59番地
国立大学法人琉球大学 学生部学生支援課寮務係(学寮事務室)
電話 098-895-8101 または 8133
以上、日本最南端・沖縄県にある国立大学、琉球大学の寮についてご紹介しました。
今後も大学寮ライブラリー「Dorm」では、特色ある大学寮を続々と取り上げていきますので、次回の特集もどうぞお楽しみに。
※本記事の内容は2022年5月取材時点です