大学寮に住む学生に聞きました2019.09.25
※この記事は、2017年8月発行『WASEDA LIFE』の記事を転載したものです。
早稲田大学政治経済学部四年生で、現在就職活動中の美佳さん。帰国子女の美佳さんは、日本での暮らしに慣れない頃はホームシックになることも多かったそうです。「積極的になった」と自らを分析する彼女に、寮での生活について聞きました。
小学生の頃はアメリカ、高校からはスペインのバルセロナで過ごしました。高校卒業後、大学入試のために日本へ帰国。早稲田に入学することが決まったと同時に、寮に入ることを決めたんです。その頃はまだ日本の暮らしに慣れていなかったので、電車の乗り方もバイトを探したりするのにも苦労したのですが、寮の同期や先輩に相談して助けてもらいました。寮には色々な国籍の学生がいて、毎日様々な言語を聞きながら生活できるので楽しいですね。
三年生になった時、寮母さんに勧められてRA(レジデント・アシスタント)になることを決めました。新入生をサポートしたり、留学生が日本の生活に早く慣れるよう手伝ってあげたりすることが主な仕事です。最初は、自分に寮生をまとめられるんだろうかと不安でした。でも私自身、前のRAさんにとてもお世話になっていたので寮のために何かできればと思って挑戦することにしたんです。先日企画したウエルカムパーティでは苦労することもありましたが、東京に来て間もない新入生が在寮生と仲良くなるいい機会になったんじゃないかと思っています。寮母さんがRAになることを勧めてくれたお陰で、私自身すごく成長できたと思っています。寮母さんは「第二のお母さん」ですね。
寮生さんには、なるべく私から声を掛けるようにしています。寮母さんやスタッフさんに会った時は必ず挨拶をしたり。一年生の人たちにも、それを見て積極的に挨拶をしようと思ってもらえたらと。新入生で英語を喋りたいという日本人の子がいたら、その子も巻き込んで仲のいい留学生の子と一緒に話すようにしたり。せっかく寮にいるから、たくさん交流してほしいと思っています。
両親は今日本にいるのですが、会うと「前よりしっかりしたね」と言ってくれます。私は人見知りで、どちらかと言うと大人しい性格だったのですが、寮生活やRAの仕事を通して積極的になれたんじゃないかと思います。
将来は、日本のものを世界に紹介する仕事をしたいです。海外で暮らしている時に「日本のものが世界一」と言われたのが印象的で。日本の製品を通して、世界にインパクトを与える仕事をしたいというのが、高校の時からの夢なんです。ホームシックになった時も、寮に仲間がいたから夢に向かって頑張れました。寮は「東京の家」です。寮生同士ぶつかり合いになることはほとんどありません。問題があってもきちんとコミュニケーションを取って、ケンカになる前に解決しようとみんなが心掛けているんです。寮での経験を生かして、夢を実現したいと思っています。
美佳はRAになる前は、ほとんど留学生の子とばかり話していたんです。帰国子女なので、日本語でのコミュニケーションが難しい時期がありました。だから、頑張って日本の子ともコミュニケーションしてくれたらいいなと思ってRAをお願いしたんです。RAになってからは日本人の先輩に「こういう時、どうしたらいいですか?」と悩みを相談する場面も見るようになって。すぐ溶け込める人もいるけど、人間色々ですからね。帰国子女には帰国子女ならではの悩みがあったんだなと美佳を見て改めて思いました。