学寮潜入!大学寮レポート2022.09.16
「THE世界大学ランキング日本版2021」で名だたる大学を抑え、国際性・教育充実度1位を獲得した秋田県にある国際教養大学。前半では国際教養大学の特徴や学生寮・学生宿舎をご紹介しました。今回の後半では、AIUの学生寮で活躍するRA(レジデント・アシスタント)の学生さんに、キャンパスライフ、学生寮の魅力について伺いました。
まずは1年間の寮生活から。秋田「国際教養大学(AIU)」は、学生ひとりひとりが輝く「国際的学び場」だった – 特集・AIU<前半>
左から、国際教養大学国際教養学部2年 RA Mさん、2年 RA Hさん
RAとは・・・レジデント・アシスタント(RA:通称アール・エー)。学生寮および学生宿舎では、1年間の寮生活を既に経験し、新入生のお手本となる先輩学生。居住者のキャンパス内での生活が快適になるように行動し、居住者同士のコミュニケーションが活発に行われるような環境を築くためサポートする学生です。
実は、中学1年のときに、学校の講堂でAIUの紹介動画を見たんです。でも、はじめは自分の住んでいた関東近辺の大学のオープンキャンパスを巡ってたんですけど、どこも似たり寄ったりで、これだ!とおもえる学校がなかったんです。高校3年になったとき、母が「それじゃあ、秋田飛んでっちゃう?」って言うんで、AIUのオープンキャンパスにきたら「これだ!」って思ったんです、やっと。留学生と日本人学生が交流しているのを実際に見て。
私がAIUを知ったきっかけは、「全寮制(※)、公立の大学、全て英語で授業を行う」という条件で絞った結果、この学校がヒットしたんです。もうこれはここに行かないといけないなという気持ちで受験しましたね。元々留学にも興味があったので、英語で授業をやるということに憧れました。あと、田舎にあって全寮制というのが、実は私の中ですごく魅力的でした。
※AIUでは1年次のみ入寮が義務。2年次以降は希望制で学生宿舎に入居可能。
1年次はご飯を3食出してくれますし、コロナの影響で個室も確保されていたので、自分のペースで、何の不満もなく、快適に過ごしています。
私も1年次はこまち寮に住んでいたので、少し建物が古くてびっくりしました(笑)、というのはあるんですけど、逆にコロナのおかげで一人部屋になったので、自分の時間が確保できたっていうのもあって、そこまで寮生活に馴染むっていうことに対しては、あまり難しさを感じませんでした。
※こまち寮は2023年リニューアルオープン予定。
そうですね、やっぱり1人じゃないっていう安心感があるところですかね。家族でもない仲間って感じですね。
私も友達と一緒にいられる時間が多いっていうのがメリットだと思ってます。
いくら個室とはいえ、廊下でよくすれ違うこともありますし、声が聞こえてくることもあります。課題で疲れて帰ってきても、誰かいる。
しかも結構AIU生って夜遅くまで課題をやっているんです。それで課題が終わった後に、友達と世間話したり。深夜に集まれるっていうのは寮ならではですね。
はい、全然問題ないですね。まあ、シャワールームとか共有部分は一緒に使う感じですが、生活空間は分かれているんです。
あと、私たちRAが部屋ごとに「ルームコントラクト」っていうものを作ってもらうように、お願いしてるんです。例えば、何時から何時までは静かにする時間にしようとか、掃除当番とかも結構細かく。しかも、みんなが一致でっていう形にしてるのです。だからもし12人のルームだとしても、ルームコントラクトから外れた行動が多く見られたら、「ここは気を付けてね」っていうのをお互いに言い合ったりできるんです。
それでも難しい場合は、私たちRAがサポートする時間などで、うまくやり取りをしてます。
RA面談っていうものがありまして、1年生全員と留学生が必須で受けてもらいます。私たちRAとの1対1での15分面談です。そこでちょっとモヤモヤしている部分とか、ここを改善してほしいっていう部分を話してもらう機会を作っています。
一通り生活とか、その悩んでることを聞いて、必要があれば大学の学生課にも報告や相談もしています。その上で、フォローアップ面談をしたりしています。
コミュニティの中心として働くっていう経験は、なかなかできないなと思ったんです。核となって動いてた時に見えるものっていうのは、きっと外側からじゃ見えないものなんじゃないかなと。そんな興味から応募しました。
AIUに来たからには、できることはなんでもやりたいなと思っていたんです。何か自分で行動を起こしたいなと。それに人と関わるもの苦手ではなかったですし、AIUの雰囲気も好きで。だからRAになって自分から関わっていきたいなと思うようになったのがきっかけでした。
まず、書類選考があります。初めに自分のアドバイザーの教授の許可をもらって、次に学生課の方からOKが出れば、最後に面接があります。面接の結果が出るのが、大体11月から12月頃で、それから4月までの間でRAトレーニングというものがあって、RAとはなにか?どのようにトラブルに対応したら良いかなどの講義や練習をします。
広い目を持つように心がけています。RAは全体のサポート役で、 ある特定の学生に対して「だけ」ではないということを意識しています。
常に学生の様子に気を配るようにしていますね。結構ひょんなことから相談を持ちかけられたりするんです。「最近あの子が元気がない」とか、些細なことでも話ができる1番近い友達として聞いています。
ぶつかるとは違うのですが、あるイベントがあった際に、団結力を高めていかないと仕事が回らないね、という話になりまして。朝から話し合いの時間をとったことがあります。
メンバーの予定が合わなすぎて、朝の7時半に集まったんですよ(笑)。それもAIUだからできるんですけどね。でも、それは私たちにとってかなり大きなものになりました。私たちは自分の気持ちを共有する時間が必要だねって。どうしても忙しかったりとかすると、自分のことしか見えなくなったりしちゃうんですよね。
それからRA同士のミーティングの時には、自分は今どんな気分でいるとか、何が今大変かというのを伝える時間をしっかり設けていこうっていう話になりました。
「チェックイン」と言って、RAトレーニングの時に心理カウンセラーの方が、自分たちの気持ちを話す機会を作ってくださったんです。でも、忙しくなってきてやらなくなっていました、いつのまにか。でも、その朝7時半からのミーティングの中で、あ、それって大切な役割だったんだなっていうことに気が付いて、じゃあ、しっかりこれをもう1度やろうかっていう話になったんです。
あと心理カウンセラーの方がいるのは結構大きいですね。先日RAをやってる中で、大きな壁にぶつかったんですけど、自分では抱えきれなかったので相談させてもらいました。
うん、そうですね。ルールの見直しとかは、継続的にやっていきたいです。特に、コロナと並行してできるようなルール作りですね。どうしても、みんなコロナのせいで・・・っていう感情にはなってしまいがちなんですけど、コロナ禍の中でもいかに楽しめる状態をつくるかっていうのが大事だと思っています。
私はフラットに話せるような機会を作りたいです。オリエンテーションのイベントが終わった後のアンケートで、新入生同士のグループ活動が楽しかったとか、それのおかげで友達ができたって話が多いので。そういう「場を作る」というのもRAの仕事ではあるかなと思います。
あと7月に七夕イベントを開催しようっていう話にはなってますね。七夕の短冊を用意して、飾ってもらったりとか。まだわからないですけど、花火とかもやりたいなと。学生全体が交流できるようなイベントにしたいと思っています。
ちょっと現実的にはまだ先になるかもしれないんですが、運動会を目の前の中央公園でやりたいねって話もしてます。
まずは1年間の寮生活から。秋田「国際教養大学(AIU)」は、学生ひとりひとりが輝く「国際的学び場」だった – 特集・AIU<前半>
国際教養大学(AIU) のWebサイト内「キャンパスライフ > 学生寮・学生宿舎」のページで、こまち寮と各学生宿舎の概要を確認することができます。
https://web.aiu.ac.jp/campuslife/dormitory/
この記事では国際教養大学の学生寮・学生宿舎についてご紹介しました。
今後も大学寮ライブラリー「Dorm」では、特色ある大学寮を続々と取り上げていきますので、次回の特集もどうぞお楽しみに。
※本記事の内容は2022年6月取材時点です