大学プレスリリース2025.05.13

要点
・これまでに本研究グループが開発した液体インク状のカーボンナノチューブ(CNT)を塗布するセンサ製造では、手作業によるヒューマンエラーや「複数装置間での煩雑な繰り返し作業」が課題だった。
・今回、卓上機械ロボット(エアジェットディスペンサ)一台のみで、CNT、電極配線、キャリアドーピングといった多種のインクを塗布する、簡便・高速・高精度な”印刷”による素子作製工程を新たに確立。
・成功のポイントは、センサ印刷プロセスにおいて作製精度(微細かつ均一な線描画)に最も影響するCNTインクの適正な濃度・粘度の把握と自動制御。このことは、センサの高感度動作に寄与。
・ディスペンサ自体が、異なる種類のインク材料間の相対的な空間認識という機能を持つことで、センサの動作不良につながる断線(材料間の位置ズレ)を機械的に根絶。これにより、極めて高い歩留まりで微細CNT型センサの多数・大規模集積を簡便に実現。
・高精度なCNTセンサ印刷は、ウェラブルな基板などにも展開。基板毎の機能性発揮も期待される。