大学プレスリリース2023.09.05
国内の透析患者は約34万人で、一人当たり年間約150回の透析を行っています。腎臓は体内で産生された「老廃物と水分」を体外に出す働きをしており、これが障害されると生命を維持できないため血液透析を行います。血液透析では障害された腎臓の代わりに機器を用いて血液を体外に出して循環させることにより、1回に約1.8~3.0Lの水分を排出します。ところが、血管より急速に水分を排出するため血圧が下がりやすく、除水速度(排水速度)を減少させるか途中で中止せざるを得ない場合があります。次回は残した水分量を合わせたものを排水目標とするためさらに達成が困難となり、心不全を引き起こします。これを透析低血圧(透析困難症の原因のひとつ)といいます。血圧低下に対する処置も行いますが、その効果も不十分な場合が生じており、この医療課題は業界における長年のアンメット・メディカルニーズでした。