大学寮・学生寮を知る2022.06.01
※記事の学部学年は2018年7月の取材当時のものです。
※本内容は2020年6月時点のものです。予告なく変更になる場合があります。
※この記事は、2020年7月発行『MEIJI LIFE』の記事を転載・編集したものです。
学生寮という言葉を聞いてどんなイメージを持つだろう。 「むさ苦しい」や「なんかダサい」?
そう思ったあなたこそ「寮」を選んだほうがいいかもしれない。いま、学生寮は大きな変化を迎えている。勉強にサークルにアルバイト…やることだらけの大学4年間を最高に過ごすために〝あえて寮〟という選択も視野に入れてみては? 実際に明治大学国際交流寮「狛江インターナショナルハウス(KIH)」に住む明大生と明大OBに話を聞いてみよう。
文:武田鼎 撮影:伊藤圭
「もう毎日が楽しくて。寮の仲間は家族とも友達とも違う特別な存在です」。そう振り返るのは現在社会人3年目、大手自動車部品メーカーに勤める鈴木さん。
鈴木さんは狛江インターナショナルハウスの1期生だ。今でも寮のメンバーとはよく会う仲だという。学部の同級生やサークルのメンバーより長い時間をともにする寮生の結束は固い。「3月にウェルカムイベントがあるので学部の同級生より寮のメンバーとの顔合わせの方が先」なのだそう。他に5月のバーベキュー大会や12月のクリスマスパーティーなど、イベントは目白押しだ。「留学生もいて、異文化交流も盛んです。社会に出る前の“準備”としては本当にいい環境です」と語る。
現在寮生の数は約145人。うち留学生は年によっても変動するが30人程度だ。もちろん男性だけではなく女性もいるが、フロアによって男性と女性が分かれており、異性がフロアに入ることはない。セキュリティ面も万全だ。寮生活のメリットについて鈴木さんは「洗濯機や冷蔵庫などの備品を買わなくてもいいというメリットもあります。でもやっぱり一番大きいのは“食”ですね」と語る。
大学生活の中で意外と後回しにされてしまいがちなのが「食」だ。だが、寮で暮らせば安心。朝食と夕食が土曜日もついてくる。「この寮のご飯は特に美味しいって有名なんです」と笑顔で語るのは現在文学部4年生の辻さん。朝食も洋食と和食に分かれており、ホットケーキが出るときには売り切れになるほどの人気ぶりだ。確かに一人暮らしをすれば、外食は高くつくし、自炊するのも手間がかかる。毎日欠かさず食事がついてくることを考えれば、オトクなのは間違いない。
長いようで、あっという間の4年間。
味わい尽くすなら 「あえて寮」という選択。
辛い受験勉強から解き放たれ、刺激的な大学生活が始まると、つい自制できなくなり、生活も昼夜逆転…という学生がいるのも事実だ。だが寮に入ればそうしたことも減るだろう。
「毎日顔を合わせるメンバーがいなくなればちょっと心配になります。お互いに声を掛け合うのもRAの仕事の一つ」と福田さんは語る。RAとは「レジデントアシスタント」の略で、寮生の円滑な暮らしを支援する役割を担うメンバーだ。
福田さんはRAになる以前に寮のメンバーから刺激を受け、大きな進路変更を決断した。もともと農学部に入学したのだが、情報コミュニケーション学部へと転部したのだ。「毎晩語り合ったり、一緒に勉強したりして、暮らしをともにしていくうちに本当にやりたいことが何なのか考えさせられたんです。それに部屋でゴロゴロしたいって思っても自習室で勉強している姿を見ちゃうと『負けられないな』って思います」。
145人で共同生活を送るなか、切磋琢磨しながら学生たちは社会に巣立つ準備をする。寮生は口々に「入寮当時とは“顔”が違う」と語る。当初はあどけなかった学生たちも徐々に社会人の顔に変わるのだという。大学4年間は長いようで短い。大学生活を満喫するなら「寮」の選択もアリかもしれない。
寮は社会にでるための準備段階と言ってもいいかもしれません。団体生活を送る上で決まりがあります。利用時間や外泊届けなど。面倒くさいと思うかもしれませんが、社会にでる上では「報告・連絡・相談」は最低限必要なこと。寮は、社会にでるための“準備の場”なのかもしれませんね。それさえ守れば最高の大学生活になること間違いなし、です。
もちろんそこまで厳しく締め付けるものではないですよ。お互いが気持ちよく日々を送るための決まりです。この寮で普通に過ごせればきっと社会にでても問題ないはず。寮生たちの顔つきが日々、大人になっていくのは見ていて気持ち良いですね。
※記事の学部学年は2018年7月の取材当時のものです。 ※本内容は2020年6月時点です。予告なく変更になる場合があります。※この記事は、2020年7月発行『MEIJI LIFE』の記事を転載・編集したものです。