大学プレスリリース2023.01.17
兵庫県立大学大学院理学研究科の高橋龍之介大学院生と和達大樹教授は、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)の大河内拓雄主幹研究員、京都大学化学研究所の菅大介准教授、島川祐一教授らと共同で、ニッケル・コバルト酸化物NiCo2O4(2と4は下付き文字、以下同)の薄膜において、レーザー照射のみでその磁気構造を変化させることに成功した。磁場を使用せず光のみで磁化を制御することは、次世代の光磁気デジタル磁気記録につながるため、基礎学理のみならずその応用観点からも注目されている。このたびの研究で、酸化物であり希土類を含まない物質において、世界で初めて全光型磁化スイッチング(AOS)の観測に成功した。多くの鉱物が酸化物として産出されるように、酸化物は化学的に非常に安定している。また、希土類のような重たい元素が含まれていないという点で、応用材料として実用的な側面を持っている。本成果は米国科学誌『ACS Applied Electronic Materials』に1月16日(現地時間)、オンライン掲載された。