学寮潜入!大学寮レポート2025.09.16

学寮潜入、大学寮レポート。
今回は、京都のど真ん中にキャンパスを構える同志社大学の教育寮「継志寮(けいしりょう)」を訪ねました。
京都らしさを感じさせるしつらえのなかで、多文化共生や学生同士の“つながり”が自然と生まれる空間。
そんな継志寮で、実際に寮生活を送る2人の学生にお話を伺い、暮らしのリアルをたっぷりとお届けします。
同志社大学「継志寮(けいしりょう)」は、今出川キャンパス・新町キャンパスのどちらからも徒歩6分という便利な立地に、2021年9月に開寮されました。

その名称は、創立者・新島襄が遺した書簡の一節に由来するもの。「志を継ぐ寮」として、同志社の精神を受け継ぎ、次世代の学生たちがその実現を先導するような人物に成長していくことを願って名づけられました。
継志寮は、同志社大学初の「教育寮」として位置づけられた学生寮です。
「ダイバーシティ・キャンパス」の具現化を牽引する場として、多文化共生や地域社会との異世代共生を、ただ“学ぶ”だけでなく“暮らしの中で実践”し、そこから多様な価値観を理解し合い、その違いを新たな創造へ導く力を持つ人物の養成を目的に設けられました。寮生は全員、地域や他者との関わりを通じて成長を促す「Residential Learning Program(RLP)」に参加します。
このプログラムでは、実践的な活動と振り返りを通して、自らの変化や気づきを深めていきます。
また、継志寮には「ドミトリー・アシスタント(DA)」と呼ばれる先輩寮生が在籍。管理人と連携しながら、寮の運営や生活面のサポート、衛生・安全管理などに取り組み、寮生が安心して快適に過ごせる環境を支えています。入寮時には、こうした頼れる存在がそばにいるのも、大きな安心材料です。

継志寮は地上3階・地下1階建て。
地階と1階は共用設備、2階は男子の居住フロア、3階は女子の居住フロアとなっていて、各フロアへの動線やエレベーターはカードキーで完全に分けられています。2階と3階の移動はできない仕様で、プライバシーと安全面にも配慮された設計です。
寮生は5名で1つのユニットを構成します。ユニットには国内学生と留学生が混在し共に生活します。いわば国際交流寮ともいうべき継志寮には、2階・3階のそれぞれに16ユニット、合計160名が暮らしています。
各ユニットには、個室の他に交流の場となるリビングや小上がりの畳スペース、収納棚、冷蔵庫が備えられ、個室での生活と共同生活のバランスをストレスなく取れるよう工夫されています。

障子を思わせる引き戸が並ぶユニットの外観には、どこか「和」の趣も感じられます。

キッチンやラウンジ、シャワーブース、洗面台、パウダールーム、トイレといった水回りも、十分なスペースが確保されており、複数の寮生が同時に使っても快適に過ごせるよう配慮されています。


1階には広々としたエントランスと共用ラウンジがあり、寮全体の交流を生む共用空間として機能。


さらに地下には男女別のパブリックバス(大浴場)も完備されており、湯船につかりながら語らう時間も、寮生活ならではの楽しみのひとつです。

今回、お話を伺ったのは——
Mさん(商学部 3回生/大阪府出身)
Aさん(社会学部 2回生/愛知県出身)

ともに継志寮での生活は2年目。実際に暮らしてみて感じたことや、入寮のきっかけ、好きな場所について語ってくれました。
Aさん:高校時代にカナダに留学していて、そのときに身につけた語学力を大学生活でも活かしたいという思いがありました。国際交流ができる寮がいいなと思っていて、実は同志社大学も「継志寮があるから選んだ」くらいです。一人暮らしよりも、さびしくないのも理由の一つでした。
Mさん:1回生のときは、大阪市内の実家から片道2時間かけて通学していましたが、さすがにもう無理かなと思って。けど、一人暮らしはさびしくて病んじゃいそうだなとも思っていました。夜にひとりでご飯を食べるのも嫌でした。そんなときに、新2回生を対象とした入寮募集が若干名あったので、継志寮に応募しました。国際交流にも興味があったので、留学生と一緒に過ごせる環境で新しい世界が広がるかなと思って。

Aさん:日常的にいろんな人と交流できるのがすごく楽しいです。「ちょっとご飯行く〜?」みたいに、ふらっと気軽に誘える友達が増えました。

Mさん:留学生も、思っていたより日本語が話せる人が多くて、英語を使う機会は少なめかな?と思ってたんですけど、僕が「英語を話したい」ってことをわかってくれていて、自然に英語と日本語を交ぜながら会話してくれるのが嬉しいです。今度の夏休みは、寮の仲間と一緒にシンガポール旅行に行く予定なんです。今からとても楽しみです。
Aさん:私たちも、寮のメンバーでいろんなところに旅行しました。ドライブしたり、ディズニーに行ったり、京都の神社仏閣を巡ったり。万博では、寮に住んでいる留学生が自分の国のパビリオンでボランティアをしている光景に出会うこともできて、すごく面白い体験ができました。
Aさん:私はやっぱりラウンジですね。誰かしら必ずいる場所で、DVDを観たり、一緒に課題をしたり。この前はみんなで餃子を焼いて食べました(笑)最近は「入寮〇か月記念日」とか言って、集まるきっかけをつくったりもしてます。ちょっとカップルみたいですけど(笑)

Mさん:僕は地下のお風呂が好きです。湯船につかりながら、しょうもないことをみんなで喋っている時間がとても好きです。
Mさん:留学生と仲良くなると、その国の文化を深く知ることができます。寮での生活は本当に毎日が刺激的で、ご飯を一緒に食べるだけでも新しい発見があるんです。継志寮を選んで、本当によかったなと思っています。
Aさん:先輩ともすぐ仲良くなれますし、とにかく「さびしくない」のが一番の魅力。でも、個室があるから一人の時間を過ごすこともできるのも良いところです。男子と女子はフロアが完全に分かれていて、安心感もありながら、程よく交流もできて、友達の輪も広がりますよ。

継志寮の入寮募集に関する最新情報は、同志社大学 学生支援センターのWebサイト内、下宿紹介・寮のページに掲載されます。募集時期や申込方法、見学会などの詳細も確認できますので、ぜひチェックしてみてください。
▶︎ 同志社大学 学生支援センター Webサイト
https://student-support.doshisha.ac.jp/s-support/student-life/boarding-dormitory/education-dormitory.html
なお、同志社大学には継志寮のほかにも、男子寮の「此春寮(ししゅんりょう)」、女子寮の「松蔭寮(しょういんりょう)」といった学生寮があります。また、大学出資の「株式会社同志社エンタープライズ」では、食事付き学生寮「ドーミー」や、学生専用マンションなど、多様な下宿スタイルも紹介しています。
▶︎此春寮、松蔭寮の詳細はこちら
https://student-support.doshisha.ac.jp/s-support/student-life/boarding-dormitory/dormitory.html
自分に合った住まいを選ぶための選択肢のひとつとして、ぜひ参考にしてみてください。
(取材協力/同志社大学 取材・撮影:dorm編集部、共立メンテナンス京都支店)