大学プレスリリース2025.03.05
名古屋大学大学院生命農学研究科の小田 裕昭 准教授らを中心とする研究グループは、朝食欠食(注1)をして不活動な生活(注2)をするとメタボリックシンドローム(注3)につながる内臓脂肪蓄積が起こることを明らかにしました。
メタボリックシンドロームは、食べ過ぎ、特に油の摂り過ぎが原因として考えられてきました。特に、内臓脂肪型肥満(注4)が健康に良くないことが知られています。いわゆる中年男性に多い“お腹ポッコリ”の肥満です。しかし、実験動物に高脂肪食を与えて肥満にさせた場合には体全体の脂肪が増えるだけで、ヒト、特に男性でどのようなメカニズムで内臓脂肪が貯まるお腹ポッコリ肥満になるか分かっていませんでした。
今回、実験動物としてラットを用いて、活動量を半分にする不活動症候群モデル(注5)を使い、そのラットに朝食欠食をさせました。その結果、体重増加は見られなかったものの、内蔵脂肪だけが特に蓄積することを見出しました。これまでどのような食事や生活習慣がお腹ポッコリと関連するか分かっていませんでしたが、今回の結果により、生活不活動でなおかつ朝食を抜くような不規則な生活をすることでお腹ポッコリにつながることが分かりました。
この研究成果は、お腹ポッコリ型の内臓脂肪型肥満を予防するには、何を食べるかだけでなく朝食を食べるような規則正しい食生活をして、活動的な生活をすることが良いことを示しており、生活習慣によってメタボリックシンドロームが予防できる可能性を示すものです。